ウェットスーツ素材は、『ラージセル(大きな気泡構造)』が最高とされていた1960~70年時代。
そんな時代にヤマモトは真逆の『スモールセル(小さな気泡構造)』のウェットスーツ素材を開発し、販売することに。何故そのような変換に至ったのか、今回はそんなお話しです。
常識が気に入らない
当時、アメリカ、イギリス、イタリアにウェットスーツ素材メーカーが存在していました。
ルーバーテックス、セントアルバンス、カークヒルラバーなどのメーカーが、世界中にウェットスーツ素材を供給していました。
この時代はウェットスーツ=ラージセルが、軽くて温かく、そして柔らかいという最高の素材であるとされ、業界のトレンド、いや、もはや常識となっていました。
ウェットスーツ素材には発泡ゴムと呼ばれる合成ゴムを使用されており、発泡剤という薬品を使用することで、ゴムの中に気泡を作ります。それ故に発泡ゴムはゴムスポンジとも呼ばれます。
ラージセルのウェットスーツ素材を生産する場合、『ACタイプ』という発泡剤を使用します。これは安価な材料なのですが、実は取り扱いが危険な物質。例えば、冬場などによく起こる静電気でスパークしてしまうと大爆発をして、工場の屋根が吹っ飛んでしまう程の威力を持っています。
ラージセルのウェットスーツ素材を生産する場合、『ACタイプ』という発泡剤を使用します。これは安価な材料なのですが、実は取り扱いが危険な物質。例えば、冬場などによく起こる静電気でスパークしてしまうと大爆発をして、工場の屋根が吹っ飛んでしまう程の威力を持っています。