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Story01

Story : 01
ウェットスーツ素材の世界的権威者
山本敬一が開発した理想の素材

科学者・山本敬一のはじまり


1945年に科学者であった山本敬一は、世界で初めて合成ゴムを原料にした消しゴムを開発した人物です。

当時消しゴムは、全て天然ゴム製(NR)でした。
天然ゴムの消しゴムは、使用から2~3ヶ月するとゴムが劣化してきて、文字が消えにくくなり、最終的にはゴムにひび割れを起こしてしまうものばかりでした。
消しゴムは安価な文房具でしたが、その当時の合成ゴムは『NEW MATERIAL』と言われ、材料としての価格は天然ゴムの約20倍もしました。
その後、この合成ゴム製の『パロマブランド』の消しゴムは、鉛筆と一体化した『消しゴム付き鉛筆』として応用され、特許も取得。日本で一世風靡することになりました。

ヤマモトの合成ゴムの歴史を構築した敬一が、次に開発したのが、合成ゴムのウェットスーツ素材です。

消すゴムから着るゴムへ


1955年の春、合成ゴムで消しゴムを作った科学者 山本敬一が、次に始めたのが、合成ゴムを使ったウェットスーツ素材の開発に着手でした。

世の中のありとあらゆるゴム材料を使い、数多くの配合を試し、昼夜問わず研究に没頭しました。
最高のものを求めるが故に、敬一には一切の妥協がありませんでした。

そして、辿り着いたのが『100%CR』(chloroprene rubber:クロロプレンラバー)の合成ゴム。
それ以来、ヤマモトは半世紀以上ウェットスーツ素材を100% CRのみで作り続けています。
しかし、ヤマモトは100% CRでウェットスーツ素材を作ることにこだわり続けています。その唯一のウェットスーツ素材メーカーです。

100%CRこそカラダに馴染む


天然ゴム(NR)や他のゴムをブレンドしたウェットスーツ素材について科学者 敬一は次のように述べています。

「天然ゴム(NR)で全てが賄えるのであれば、この地球上に合成ゴムなど存在しないはず。合成ゴム(CR)と天然ゴムの価格差は5倍以上ある。もし、100%NRでウェットスーツを作れば、鉄板のようなスーツになる。柔軟性がないスーツは、疲労感が大きく、寒く、重く、長時間水中での作業などはほとんど出来ないだろう。」
トライアスロンのスイム競技は、自然の海などで数マイルを全力で泳ぐ過酷な競技です。
トライアスリートの選手の皆さんは、全力で泳いだ際に一番疲れないウェットスーツ素材は、どこのものかを体で感じて知っています。

そして『ヤマモト』を選んでいます。

人の皮膚のような素材へ極める


科学者 山本敬一が開発したウェットスーツ素材の中で最高傑作と称されるのが、『ヤマモト45ラバー』です。
この素材は、1956年の完成から半世紀以上も経過しているにも関わらず、未だウェットスーツ素材の最高峰として世界で君臨し続けています。

理由はたった1つです。

100%CRの素材だからです。
その技術の困難さを製造工程で一つ例を上げると…
ウェットスーツ素材は、独立気泡構造を作るプレス工程の前に、シート状に成形するシーティング工程があります。
その場合、普通であればローモジュラスの素材を作ろうとすると、加工中の生地がとても垂れ下がってしまうほどの柔らかさになってしまい、シート形状に成形することができないのです。

この無理難題を完全に解消したのがヤマモトの特殊技術で、とにかく100%CRゴムの素材は簡単には製造出来ないのです。
どうしてみなさん『ヤマモト45ラバー』にこだわり、他の素材のウェットスーツを着用されないのか。
製造するわたしたちも不思議に思い、愛用されるプロのダイバーの方々に聞きました。
すると、皆様から同じような返答をされます。

「絶対的安心感があるので、海が怖くなくなります」

答えは『カラダをやさしく包み込み、守られていて安心』だからということでした。世界のダイバーカラダの温かさだけを守るのではなく、『ダイバーの身の安全を約束しているのです』。

神様によって作られた人間の皮膚に最も近い存在が、『ヤマモト45ラバー』なのかもしれません。

わたしたちは今もなお『山本敬一イズム』を忠実に継承し、時代に合わせた変化を加えながら、受け継いでいます。
生前に山本敬一がわたしたちに次のように話したことが、ヤマモトラバーの心得として根幹に生き続け、100%CRのウェットスーツ素材として、今もみなさまにご愛用頂いています。

「神が創り出す人間の皮膚ほど精密なモノは無く、人間の技術が追いつくことはできない。だからヤマモトの使命は、神が創り出す人間の皮膚に合うウェットスーツ素材を徹底的に研究して作ることだ。」

山本 敬一

Story:02 につづく