VOICE No.7

泳げない人も『ゼロポジ』で自然と水に慣れることができる

白濱 健太(しらはま けんた)

大垣東高校

<コーチ実績>
全国高等学校総合体育大会 水球競技3位
全日本ジュニア水球選手権 2位
世界ジュニア水球選手権 代表選手輩出

<水泳指導実績>
保健体育科教員として水泳授業指導

 高校体育授業にて、『ゼロポジ』を活用しています。本校のプールは、水球競技練習ができるように、25m×16m、水深180cm~210cmであるため、初心者の水泳習得にはいろいろな工夫が必要です。深いプールに慣れるために、水球ボールや浮きポールに捕まり浮きや座り浮き、立ち姿勢でスカーリング付き浮きなどの遊びから始めていきます。その後、「だるま浮き」や「伏し浮き」でお腹に空気を入れる練習、逆に空気を吐ききって沈む練習などを行い「浮力」を学んでいます。

 また、深いプールのメリット活かして様々な姿勢で飛び込み練習を行います。水面に対してストリームラインを保持した姿勢で足から飛び込んだり、膝を曲げて飛び込んだりして、水に対する「抵抗の少ない姿勢」を学んでいます。水中遊びで、水の特性を理解してから泳法練習を行っています。

 しかし、近年、「水泳」が好きな人と嫌いな人で二極化している傾向を感じます。「水泳」が嫌いな人は「顔を浸けるのも嫌」と、壁から手を離せない場合もあり、水中遊びもできません。
 そのような顔をつけれないような人にとって、深さに慣れる遊びは苦痛と感じ、益々「水泳」嫌いを進行させてしまうこともあります。そこで、『ゼロポジ』を活用し、腰部の浮力を大きくすることで安心感を持たせて「伏し浮き」の練習を行っています。繰り返し、根気よく行うと、ほとんどの人は補助付きから始めて、一人でバランス良く浮けるようになります。そして、手は平泳ぎ(スカーリング)足はバタ足で16mを泳げるようになっています。

 また、「背浮き」もできるようになる人もいます。推進力を得ることが困難な泳力の人にとって、呼吸を確保する最も大切な姿勢であり、数分浮けるようにすることは、通常の水着では大変困難です。上手くお腹に空気を入れても足の先の方から徐々に沈んでしまいます。
 しかし、ゼロポジション水着では腰部分の浮力が大きくなるため「背浮き」姿勢のバランスを保ち易くなります。そして、「背浮き」から背面で進む、エレメンタリーバックストロークを習得して16m泳げるようになっていく人もいます。

 『ゼロポジ』は、速く泳ぐためのトレーニングに活用するだけでなく、泳げない人を補助することもできると思います。